
こんにちは、Kanon です。今回は…

裕夢先生の『千歳くんはラムネ瓶のなか』の4巻の感想記事です。

今巻のメインヒロインは陽!
部活というコミュニティ内での意識の差にフォーカスを当てて物語が展開されます。

詳しく見ていきましょう!
あらすじ
あの夏の、忘れ物を拾いにいこう。
インハイ予選を終えた7月。陽はチームの新キャプテンになった。
仲間とぶつかり合いながら切磋琢磨し、ともに高みを目指す日々。その姿はやけに眩しく、俺の心を揺さぶった。
そんなとき、野球部のエース、江崎が現れる。
「朔……頼む、野球部に戻ってくれ。どうしても、お前の力が必要なんだ」
――あの暑い夏の日。自分で止めた時計が、もう一度音を立てて動き出した。
これは、挫折と葛藤、そしていまだ胸にうずく“熱”の物語。
あの夏を終わらせて、もう一度、夏を始めるための物語。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』裕夢 ガガガ文庫 2020年9月23日 発行 より引用)
前巻(3巻)についてはこちらの記事からどうぞ
ネタバレなし感想

twitterのネタバレなし感想はこんな感じでした。
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
この巻から夏休み編!
ラノベにおいて重要なイベント目白押しの夏休み。
チラムネの世界線でもついにこの季節がやってきましたね。
印象的だったのがこの一文。
「けどなんか夏だけは、ちゃんと始まって、ちゃんと終わる。だから、ひと夏を超えたら自分もなにかが変わってなきゃいけない気がするんだ」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』裕夢 ガガガ文庫 2020年9月23日 発行 P.150 より引用)
この一文が何気なく書かれていますが、この夏休み編のなかでチーム千歳を取り巻く環境が変わってしまうのでは?という予感を読者に与えている気がします。
陽のカッコいいところ
野球部の面々が千歳くんを部に引き戻そうと訪れたとき
この時の陽の対応がとてもかっこいい。
野球部員たちを一喝したうえで、
「自分より持ってるやつが落ちていく様は、ちっぽけな自尊心を満足させてくれた?」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』裕夢 ガガガ文庫 2020年9月23日 発行 より引用)
の一言をお見舞い。
この"自尊心"というワードの使いまわしが、『山月記』の「尊大な羞恥心と臆病な自尊心」を髣髴とさせて、文学的ですなぁ。
千歳くんが野球部を辞めた理由を陽に話したとき
これまで明日風にも話せなかったことを陽に話そうと思えたのは、陽のこの言葉があったからでした。
「もしも千歳が辛い気持ちになっても必ず笑顔にしてあげる。
泣きたくなったらそばにいてあげるし、腹が立ったらいっしょに怒ってあげる。
情けないときは叱りつけて、立ち上がれないときには勇気をあげるよ」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』裕夢 ガガガ文庫 2020年9月23日 発行 P.165 より引用)
一番子どもっぽく男友達風な描写の多い陽ですが、こうした母性をちゃんと持ってるあたり、やはり女の子なんだなと思わされます。

このギャップが良い…
そして作中でたびたび陽との関係を"相棒"と表現していますが、この「私が引っ張ってあげる」感のある言葉が、"相棒"という関係をありありと表現していますね。
陽のかわいいところ
千歳くんの応援にいくときの陽
3巻で夕湖に選んでもらった、陽の私物のなかで数少ない女の子っぽい服。
それを着て応援に行くかどうかを悩んでいるところは、文句なく女の子でしたね。
そして千歳くんは見事ホームランを打つのですが、その際に陽が千歳くんに貸したリストバンドを陽に掲げるようにガッツポーズをします。
そのときの陽の反応がこれ。
ったくばかばかばかばか、私だって明日は選手として戦わなきゃいけないのに、女の子してる場合じゃないのに。
そんな顔されたら、この胸のドキドキおさまってくんないじゃん。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』裕夢 ガガガ文庫 2020年9月23日 発行 P.287 より引用)
かわいい…尊い…

このシーン、reamz先生の絵もすごくいいんです!!
千歳くんに告白するときの陽
千歳くんの喉仏あたりにキスをして、告白する陽。
「残りの十センチは、いつかあんたに埋めてもらうから」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』裕夢 ガガガ文庫 2020年9月23日 発行 P.364 より引用)

くぁwせdrftgyふじこlp (→かわいいが限界突破する声)
総評

陽は明日風の次に好きなヒロインになりました!
姉後肌のカッコよさ、けど女の子らしいかわいさのバランスが絶妙な割合で配合されたキャラになってますね。
ストーリー的にも、スポーツという世界での才能の差や、チームスポーツにおける意識の差が描かれており、そのへんについてもとても共感できる内容になっていました。
今巻もとても満足!
以上、『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』 感想 ネタバレ レビューでした。