
こんにちは、Kanon です。今回は…

三河ごーすと先生の『義妹生活 3』の感想記事です。

詳しく見ていきましょう
あらすじ
悠太と沙季が義理の兄妹になって初めて迎える夏休み。
何故か悠太が働く書店に履歴書を出した沙季は、アルバイトの後輩として働き始めることに。
兄ではなく、先輩として彼女と接していくにつれて、悠太は今まで見えていなかった、沙季の新たな一面に気づいていく。
そんなある日、同じシフトで働く読売栞が、沙季の様子にひとつの不吉な兆しを見出す。
「あの子の真面目で自分に厳しい、甘えられない性格は、いつかあの子自身を壊してしまうかも」
決断を迫られる悠太。
期待しない、干渉しすぎない――その約束を破り、彼女の在り方に影響を与えてしまうような介入をすべきか、否か。
兄として選んだ“選択”とその結末は……?
『義妹生活 3』 三河ごーすと MF文庫J 2021年7月21日 発行 より引用
前巻の復習はこちらからどうぞ!
ネタバレなし感想

twitterのネタバレなし感想はこんな感じでした
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
今回のテーマは「頑張りすぎな沙季を弛緩させてあげること」
当初、悠太と沙季は「干渉しすぎない」という約束のもと生活していました。
しかし、「真面目で自分に厳しい性格がいつか自分自身を壊すことになるかも」という読売先輩のひとことや、「いつからかあの子は甘えなくなった」という亜希子さんの言葉を受けて、悠太は沙季に踏み込んだ干渉をすることを決意。
そんな折に、真綾がプールへ遊びに行く企画をしていることを知り、沙季に一緒に行こうかという提案をします。
悠太が自分の気持ちに気づく
学校のみんなとプールへ遊びに行くことに決めた悠太と沙季。
当初ふたりは陽キャの中に混じって遊ぶことに不安を覚えていたものの、企画者である真綾の気づかいによって難なくプールを楽しむことができていました。
そんな中で、不意にふたりきりの瞬間が訪れ…
沙季は悠太の隣で伸びをする仕草をします。
その瞬間…
「あ、好きだ」
と自覚する悠太。
なんてことはない日常。なんてことはない仕草。
泡沫のように浮かんできたその想いを自覚してしまい、そして…
「彼女は、妹だ」
と思いなおし、その想いに蓋をします。

この気持ちを自覚するシーンが、義妹"生活"というだけあって、劇的でなく日常の一幕を切り取っているようで個人的に素晴らしいと思いました。
沙季も自分の気持ちに蓋をする
お互いに相手のことを好きだと自覚したふたり。
いまの状態は両片想いです。
ふたりは義理の兄妹。
別に恋愛関係になったとしても法律的にはセーフ。
しかし、ふたりが想いを打ち明けてしまうと、せっかく幸せをつかもうとしているそれぞれの父母に迷惑をかけてしまうことを自覚しています。
そうして沙季がとった行動が…
悠太を「兄さん」と呼ぶこと。まずはふたりきりの時に。そして家族の前でも…
そうすることで、婉曲的に「私たちは兄妹だよ」ということを伝えたわけです。

このとき、沙季がどんな気持ちで「兄さん」と呼んだかと想像すると、胸が張り裂けそうになりますね…
三河ごーすと先生曰く、タイトルの『義妹生活』にはふたつの意味があるそうで。
ひとつ目の意味は、素直に義妹"との"生活。
ではもう一つの意味とは?
察するに、義妹"であろうとする"生活。
でしょうか。
ここからはお互いが自分の気持ちを押し殺して。
それでも相手を求めようとする葛藤と戦うことになるのではないかと予測します。
総評
さて、展開が義兄妹の恋愛に定まりましたね。
この手の作品のなかで名作である『俺妹』のようなエンドを迎えるのか。
その場合、『俺妹』の麻奈美の役回りを担うのが読売先輩になるような?
私自身は実妹がいるのですが、『俺妹』を見て自分にはありえないなと思いながらも、きっと世界にはこういう愛のカタチもあるのではないかと思いました。
そして、それが本人たちにとって幸せで、他人に迷惑をかけていないのであれば、それがハッピーエンドだとも思います。
では、義妹生活はどんな結末を迎えるのか?
今回で第一部終了というところで、次巻以降どうなっていくのか非常に楽しみです。
以上、『義妹生活 3』 感想 レビュー ネタバレでした。