
こんにちは、Kanon です。今回は…

平坂読先生の『〆切前には百合が捗る 2』の感想記事です。

詳しく見ていきましょう!
あらすじ
「もしかして仕事してたんですか?」
「仕事をしようとしていたわ」
人気作家の海老原優佳理と、彼女の家で働く家出少女の白川愛結。晴れて付き合うことになった二人は、一緒にお風呂で映画を見たり担当から逃げたり猫缶を食べたり断食したりと幸せな日々を送る。
しかしお互いを大切に思いながらも、年齢、家庭環境、そして“好き”の違いなど、二人の心には常に微かな不安が影を落としていた。そんな二人の前に、優佳理を慕う人気アイドル声優、須原朋香が現れる。
彼女の存在は、愛結と優佳理の関係にどんな変化をもたらすのか――?平坂読×U35が贈る珠玉のガールズラブコメディ、第2弾登場!
『〆切前には百合が捗る 2』平坂読 GA文庫 2021年10月13日 発行 より引用
前巻の復習はこちらからどうぞ!
ネタバレなし感想

twitterに投稿していたネタバレあり感想はこんな感じでした
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
新キャラが登場します
登場人物が少ない物語で新キャラが登場するということは、物語の展開に大きくかかわる人物であることが多いのが定石。
今巻で登場した須原朋香はまさにそれに該当するキャラクターでした。
優佳理の小説が原作のアニメで声優を務めた彼女。
なんと愛結と同じくレズビアンで優佳理に思いを寄せていたのでした。
そんな朋香のライブに招待された愛結と優佳理のふたり。
なんとそのライブで朋香はレズビアンであることを世間に対してカミングアウトします。
その行動に触発された愛結は、両親と向き合うために実家へ戻ります。
自分たちが幸せであればそれでいいじゃない
愛結は両親と向き合うも、やはり両親は自分たちの世間体だけを気にしていることに気づき、絶望します。
そんななかで、愛結はうっかり優佳理と同棲し付き合っていることを両親に言ってしまいます。
これに両親は激怒。
優佳理を警察に通報すると言われてしまい、愛結は身動きが取れなくなってしまいます。
そこに現れたのはやはり優佳理。
愛結の両親を前に、きっぱりと愛結を下さいと宣言します。
当然、愛結の両親が認めるわけもありませんが、絶縁を覚悟したうえで愛結と優佳理は愛結の家を飛び出します。
…とここで物語は終わります。
このあとふたりが幸せになったのか、そうでないのかは平坂先生(神)のみぞ知るというところでしょうか。
個人的には分からないと思います。
幸せになったかもしれないし、やっぱりすれ違いがあって別れてしまったかもしれない。
しかし、この作品の本質はそこではなく、世間のいわゆる"普通"とは違う価値観を持った人たちが、それでも自分の価値観を貫こうとする姿を描いたものではないかと思うのです。
例え周りとは違っても、自分の価値観を貫いて、当人たちが幸せならそれでいい。
それがこの物語の本質的なところではないでしょうか。
総評
この作品のキャッチコピーでもあった、「“普通”に生きにくいすべての人に贈る、珠玉の日常系ガールズラブコメディ」に恥じない作品だと思います。
時におもしろく、ときにシリアスに。
最後まで飽きずに読ませてもらえました。
そして自分も、自分が信じる生き方を貫けばいいとこの作品に勇気をもらいました。
「"普通"ってなんだ?」
と思っているそこのあなた。
ぜひこの作品を読んでください。
自分の貫きたい価値観こそが、普通なんだとこの作品が勇気を与えてくれるかと思います。
以上、『〆切前には百合が捗る 2』 感想 レビュー ネタバレでした!