シリーズ第1巻 レビュー 宝島社文庫

"素直になれない二人の物語"  『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』 感想 レビュー ネタバレ

Kanon

こんにちは、Kanonです。今回は…



Kanon

筏田かつら先生の『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』の感想記事です。

あらすじ

千葉県南総にある県立高校に通う地味で冴えない男子・飯島靖貴(いいじま やすき)は、勉強合宿の夜に、クラスメイトの北岡恵麻(きたおか えま)が困っているところを助けた。それから恵麻は、学校外でだけ靖貴に話しかけてくるようになった。しかし靖貴は恵麻に苦手意識を持っていて、彼女がどうして自分に構うのかわからない。地味系眼鏡男子と派手系ギャル。絶対に相容れないはずの二人に起きる、すれ違いラブストーリー。

『 君に恋をするなんて、ありえないはずだった 』筏田かつら 宝島社文庫 2017年3月25日 発行 より引用

こんな人におすすめ!

おすすめポイント

  • 地味系男子と派手系女子の恋物語が好きな人
  • すれ違いのある恋物語が好きな人
  • 見た目は派手だけど中身は繊細なヒロインが好きな人

ネタバレあり感想

ヒロインの恵麻がとにかく可愛い

派手な見た目に反して、繊細な心を持っている恵麻がとにかく可愛いです。

派手な女子を苦手にしている靖貴に対して、「もっとお淑やかな方が話やすいのかな」と考えて髪型を変えたり。

本当は一緒に帰りたいから駅で靖貴をずっと待っているのに、偶然を装って出会ったり。

とにかく気になる相手=靖貴に対して献身的に振る舞います。

けれど、そんな靖貴への恋心を自分から認めるのが癪という若いが故のプライドも持ち合わせていて、それが靖貴に素直な気持ちを伝えるのを邪魔しています。

そんな素直になれないところも思春期っぽくてすごく可愛いと思えます。

物語の展開も序破急が効いてて飽きない

序盤はゆっくり時間をかけて、恵麻が頑張って靖貴の気を引こうとするシーンが描かれます。

物語全体を通してなのですが、基本的な視点は靖貴だけど途中途中で恵麻視点が入ることで読者は、

「あ〜すれ違ってんな〜素直になれよ〜(ニヤニヤ)」

と楽しむことができます。

そして上巻の終わり部分で急展開。

もしやバッドエンドで終わるのか…?と予感させられます。

特にスマホを持っていない靖貴が卒業式の日に他人から恵麻のメールアドレスを知らされるのですが、そのメールアドレスが書かれたメモが風に乗ってどこかへ消えていった時には、確実にバッドエンドだと思いました(笑)

けれど、最後には偶然(運命)二人は再会し、しっかりと思いを通わすことができるハッピーエンドとなりました。

総評

ヒロインがすごく可愛いし、展開も序破急が効いていて、飽きずに一気に読み進めることができました。

実はこの作品を読むのはもう何回目かになるのですが、毎回この受験を前にして寒くなり始める時期に読み返したくなります。

その意味で行くとアニメ『Just Because!』と同じですね。

Twitterでは毎年のようにこの時期になると『Just Because!』を見たくなると呟いている気がします。

話が逸れてしまいましたが、受験期の恋物語というのは必然的に進路が関わってきて、高校生の間は学校に行けば会えるけど、受験が終わったら…?という問題が付きまといますよね。

で、この問題に関する物語というのは世の中にたくさんある。

けど誰もが飽きずにいろんな物語を読むのは、きっと自身の経験と照らし合わせながら、「そうそう、こういうことあるよね」と共感ができるからなのでしょう。

そういう意味で筏田かつら先生自身が「読んでる人に『あるある』と思ってもらえるようなお話を書きます」とおっしゃられているので、遺憾無くそのカタルシスが発揮された作品だと思います。



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