こんにちは、Kanon です。
今回は雲雀湯先生の、
『転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件』
についての感想記事です。
この作品を読もうと思ったきっかけなのですが、まさかの先生本人からのマーケティングがきっかけだったりします(笑)
こうして先生本人からの推薦を受けたうえで読んでみたところ…
忖度なしでおもしろかったです。
それでは詳しくまいりましょう。
2巻の感想記事はこちらから!
どんな人におすすめ?
- ボクっ娘属性が好きな人には圧倒的におすすめ
- 幼馴染との再会系のストーリーが好きな人
- 外見は清楚、中身はガサツなギャップが好きな人
以上のいずれかに当てはまる人には、間違いなく刺さる作品です!
あらすじ
「はるき、おれたちはずっとともだちだから!」
「う、うん!ボクたち、はなれていてもともだちだ、はやと!」
7年前の夏の終わり、そんな約束を交わした2人がいた。
それから時間は過ぎ、主人公の霧島隼人は都会の高校へ転入し、再会した二階堂春希は、清楚可憐な美少女になっていた。
学校内では清楚可憐な優等生を演じる春希だったが、隼人とふたりきりになると、7年前と変わらず男同士で接するような態度を取ってくる。
だけど、ときどき揶揄って女の子扱いをすると、真っ赤になって…そんなところがたまらなく可愛い。
そんな元"男友達"、今"清楚可憐な同級生(?)"な幼馴染と紡ぐ、青春ラブコメディが始まる!
という感じです。
所見
清楚な見た目とガサツな中身のギャップがたまらなくイイ
隼人の前での春希は、学校での他人の目があるときと違い、とてもガサツ(もっと言えばオッサン)のような素振りが目立ちます。
個人的に印象的だったのは、「あぐらをかく」という仕草。
この仕草、個人的にはとても男っぽい仕草。
だけど、女の人でもときどきあぐらをかいたりするじゃないですか?
他に男っぽい仕草というと、「ひげを剃る」とかがあると思うのですが、女の人はひげを剃ったりしないですよね?
この「男っぽい仕草なんだけど女の人でもやる」っていうところが、うまく考えられてるなぁと思いました。
この「あぐらをかく」という行為を文章で印象付けられた後に表紙を見ると、どうして表紙の春希の構図がああなのか、とても納得できます。
そして、表紙イラストから"春希の人物像"をとてもよくイメージづけられて、まさにラノベの力を十二分に発揮していると思います。
余談ですが、イラストレーターのシソ先生は、"1LDK 2JK"でもイラストを担当されていますね。
the 青春モノ といった心理描写
隼人と春希の間には、恋には至らないものの、好意というものは存在しています。
それが明確に伝えあうということはないのですが、行為としては表現されています。
この好意を自覚して伝えることができないのは、隔たってた時間にできてしまった、ふたりの変化があるからこそ。
そのふたりの変化について、物語の序盤を通して描かれていきます。
雲雀湯先生のすごいところは、普通は上記のような"変化"を描こうとする場合には地の文が多くなってしまいがちで、読んでいるほうは若干退屈になってしまうのですが、雲雀湯先生の場合は、
会話文が自然で、地の文をひたすら読んでいるという感覚が全くなく、ふたりの会話を通して7年間の変化を知ることができます。
あとがきにて、
第一稿を担当編集さんに見せたところ、あまりに青春モノを意識し過ぎていたのか、「ラブコメとしてのドキドキが足りないよっ!?」などと突っ込まれたりもしました(笑)
雲雀湯『転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件』, 角川スニーカー文庫 2021年2月27日 発行, 256ページ
とおっしゃられているのですが、最後の「第14話 俺の前でだけ昔のノリって、いや、ちょっと!」ではとてもきゅんきゅんさせられます!!
幼馴染ラブコメが好きな人なら、ほんとにこの14話だけでも読む価値があるといっても過言じゃないですよ!!
感想
会話文がとても上手で、ストーリの展開も違和感なく、ストレスフリーに読み進めることができました。
男目線で見たときに、"男友達の延長として恋愛関係になれる女の子"というのはとても理想で、そんな理想が詰め込まれたようなヒロイン・春希はとても魅力的です。
また、これもあとがきに書かれていることですが、この作品には先生の"好き"が詰め込まれているそうです。
野菜の育て方について詳しく書かれていたり、登場人物の苗字が酒の銘柄だったりと、先生の"好き"が随所にちりばめられています。
こういった先生のこだわりが詰め込まれている作品は大概ハズレのない印象です。
2巻についても購入済みなので、さっそく読んでいこうと思います。
以上、 『転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件』 の感想・レビューでした。