
こんにちは、Kanon です。今回は…

平坂読先生の『妹さえいればいい』の1巻感想記事です。

詳しく見ていきましょう!
あらすじ
“はがない”の平坂読が放つ衝撃作!!
「アマゾンレビューは貴様の日記帳ではない!」
荒ぶる小説家・羽島伊月は、未だ見ぬ究極の妹を創造すべく日夜奮闘する現代のピグマリオンである。彼の周りには、作家やイラストレーターや編集者や税理士など個性的な人々が集まっている。
愛も才能もヘビー級、残念系美少女のハイエンド・可児那由多。
恋に悩み友情に悩み夢に悩む青春三冠王・白川京。
闘志を秘めたイケメン王子、不破春斗。
人生ナメてる系天才イラストレーター・ぷりけつ。
頼れるけど頼りたくない鬼畜税金セーバー・大野アシュリー。
闇を抱えた編集者・土岐健次郎――。
それぞれ迷いや悩みを抱えながらも、ゲームをやったり旅行に行ったりTRPGをやったり、たまには仕事をしたりと、賑やかで楽しい日常を繰り広げる伊月たち。
そんな彼らを温かく見守る完璧超人の弟・千尋には、ある重大な秘密があって――。
各界から絶賛の声多数(本当)!
『僕は友達が少ない』の平坂読が放つ、日常ラブコメの到達点にしてライトノベル界の現実を赤裸々に晒す衝撃作。
言葉の鋭刃が今、世界と担当編集の胃に穴を穿つ――!!!!
『妹さえいればいい』平坂読 ガガガ文庫 2015年3月22日 発行 より引用
こんな人におすすめ!
おすすめポイント
- ラノベ作家(出版業界)という職業にフォーカスを当てて、その日常をおもしろおかしく、時にシリアスに描いた作品に興味のある人
- 個性的なキャラクターたちが織り成す群像劇が好きな人
- 恋愛によって人間関係が変わっていく物語が好きな人

このどれかひとつでも当てはまる人にはとてもおすすめです!
ネタバレなし感想

twitterのネタバレなし感想はこんな感じでした。
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
ラノベ作家の日常がこれでもかと描かれます
クレイジーな原稿を編集者に提出して困惑させたり。(「おにいちゃん、起っきっきー」から始まる文章は、バカバカしさと狂気が入り混じる名文w)
主人公のことが好きすぎて、主人公のパンツを使ってhshs(オナピー?)しちゃうヒロイン。
連絡手段をなにも持たず仕事そっちのけで北海道を放浪するイラストレーター。
これらのぶっとんだクリエイターたちを制御する苦労人編集者。
そんな頭のネジを1,2本、母親のおなかの中に置き忘れられた彼ら彼女らの中に入り混じる、普通の大学生がいたり。
普通な感性と特殊な感性が交錯するなかで描かれる日常劇は、当然普通ではないですよね。
あくまでこれはクリエイターたちの"物語"
しかし、ただ日常を描いているわけではありません。
この物語は小説家・羽島伊月と、それを取り巻くクリエイターたちの物語なわけです。
小説家としての苦悩や、ライバル意識なんかも丁寧に描かれています。
圧倒的な天才に挑む彼。
同期との才能差を羨む彼。
彼の書いた作品に救われた彼女。
"作家"という人生の軸を持つ彼に惹きつけられた彼女。
この辺りの意識があるおかげで、物語がただふわついた日常なのではなく、日常に"彼ら彼女らの人生"という軸を通してくれています。
物語の調和の中にありながらも、キャラクターたちの個性が光るのはこのためでしょう。
総評
今巻は1巻目ということで、各キャラクターたちが「こんな人たちだよ」という紹介にとどまっています。
そして今巻のラストではひとつめの爆弾・「実は千尋は弟ではなく妹」ということが読者に知らされます。
これを知った妹狂の作家であり、兄である伊月がどうなるのか…?というのがこの作品の一つの見どころとなりそうです。
個人的に一番笑ったのは、ドS税理士・アシュリーとの確定申告の手続き。
エロゲタイトルを音読させられたり、妹フィギュアを資料と頑なに認めないこだわりなんかがすごく面白いです。
気になる人はぜひ、この作品を読みましょう!
2巻の感想記事からは、各巻の面白エピソードについて紹介していきたいと思います。
お楽しみに!