こんにちは、Kanon です。今回は…
私が一番好きな作家様である鴨志田一先生の作品『さくら荘のペットな彼女』シリーズの短編集についての記事です。
『ペットな彼女』 シリーズの短編集は5.5 7.5 10.5の全部で3巻あります。
『ペットな彼女』自体はもう10年近く前に完結している作品なのですが、今日になるまで10.5巻(最終巻の後日談)以外はあえて読まずに温めておいたんです。
そんな熟成された『ペットな彼女』と再会した感想を詳しく書いていきたいと思います!
あらすじ
ましろがパンツを穿いてない!? 空太の涙ぐましいノーパン隠蔽工作を描く 『神田空太の普通な一日』。美咲と離れて大学生活を送る── 仁の決意を描いた 『三鷹仁の大人への階段』。七海が空太をお芝居に誘うまでの物語 『青山七海の乙女なクリスマス』。空太が初めてさくら荘にやってきた日を描く 『住めば都のさくら荘?』。電撃文庫MAGAZINE掲載の4編に加え、美咲がタオル一枚で泣き崩れていた夜、仁との間に何があったのか、本編第4巻を補完する書き下ろし短編 『もうひとつのクリスマスイブ』 を収録した、シリーズ初の短編集!
『さくら荘のペットな彼女 5.5』 鴨志田一 電撃文庫 2012年9月10日 発行 より引用
基本的には本編4巻の補完です。
『神田空太の普通な一日』は本編1巻付近の時間軸のお話だと思います。
『住めば都のさくら荘?』はアニメ版の19話の内容ですね。
ネタバレなし感想
twitterのネタバレなし感想はこんな感じでした
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
個人的に好きだった2つのお話についてです!
神田空太の普通な一日
パンツも穿けない生活破綻者ましろの世話を焼く空太の一日を描いた物語。
その日ましろはパンツを穿き忘れたまま学校へ登校し、空太は授業中もましろがノーパンなことが周囲に知られていないかやきもきしているさまを描いたストーリーでした。
ましろの生活破綻者っぷりや、空太の緊張と焦り。
千尋のものぐさ具合や、七海の常識人ぶり。
キャラたちそれぞれの個性が存分に表現されていて、「これぞさくら荘」という感じのドタバタした日常劇が繰り広げられていて、
「あぁ…さくら荘に帰ってきた…」
というすごく懐かしい気持ちに浸れました。
青山七海の乙女なクリスマス
空太をクリスマスデートに誘うまでの七海の葛藤を描いた物語でした。
声優事務所所属をかけたオーディションを控えているということもあり、まじめな七海はデートに消極的ですが、友人の言葉を受けて、空太をクリスマスデートに誘うことに。
いざ誘ってみると、当日着ていく服や髪型についてものすごく悩んでおり、美咲や仁の意見を参考にしながら、少しでも空太によく思ってもらおうとする七海がかわいい。
七海のトレードマークと言えばポニーテールですが、「髪をおろしてみてもいいんじゃない?」という陣のアドバイスで、当日はストレートヘアにしたり、少しでも普段と違う"特別感"を演出しようとするのがとてもカワイイんです…
しかし電車が遅れるハプニングもあり、待ち合わせ時間に間に合うようにダッシュする羽目になった七海。
そのせいで見出しなみが崩れ、「最悪」な気分になってしまいます。
そんな「最悪」な気分で空太のもとへたどり着いた七海ですが、空太にきちんと(いい意味で)驚いてもらったおかげで、「最高」な気分へと変わります。
その気持ちの変化を七海自身が感じており、「やはり空太のことが好きなんだ」ということを確信するお話でした。
総評
『ペットな彼女』に限らず、鴨志田先生の作品は登場人物それぞれが行動原理や物語を持っていて、そんなキャラたちが集まって物語を紡いでいるという、まさに「青春群像劇」という言葉がぴったりな作品ばかりと思っています。
今回感想を公開しなかった、『住めば都のさくら荘?』『三鷹仁の大人への階段』『もうひとつのクリスマスイブ』も含めて、この短編集ではさくら荘の面々に焦点を当てた「あのとき彼/彼女はこう思っていた」が詳しく掘り下げられています。
この短編集を読んだ後で本編を読み返したら、きっと「なるほど、ここで○○はこう思っているもんな…」となって、また違う楽しみ方ができるのではと思いました。
次回は『ペットな彼女 7.5』を読む予定です。
楽しみだ…
以上、『さくら荘のペットな彼女 5.5』感想 ネタバレ レビューでした。