
こんにちは、Kanon です。今回は…

御堂 ユラギ先生の『俺にトラウマを与えた女子たちがチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです』の感想記事です。

詳しく見ていきましょう!
あらすじ
俺、九重雪兎は女運が悪い。
昔から何かとトラブルに巻き込まれ、母親には疎まれ、姉には嫌われ、両想いだと思っていた幼馴染には告白前にフラれ、傷心中に嘘告される始末。
すっかり感情がぶっ壊れて色々と手遅れなんだけど――
「私が悪いの……全部私が――」
「ごめんなさいユキ! アレはそんなじゃなくて――」
何故か俺にトラウマを与えた女性達がチラチラこっちを見てる気がする……。
これは傷つきすぎて好意を受け止められなくなった少年と、そんな彼を傷つけてしまった女性達による、手遅れから始まる全く始まらない勘違いラブコメディ!
『俺にトラウマを与えた女子たちがチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです』 御堂ユラギ OVERLAP文庫 2022年4月25日 発行 より引用
こんな人におすすめ!
おすすめポイント
- 軽快なトークを楽しみたい人
- 若干のシリアス要素を含むラブコメが好きな人
- 普通とは一味違う学園ラブコメを味わいたい人
- 斜に構えた主人公が好きな人

このどれかひとつにでも当てはまる人にはとてもおすすめです!
ネタバレなし感想

twitterに投稿していたネタバレあり感想はこんな感じでした
これまでの数あるラノベの主人公の属性の内、鈍感系主人公は珍しくなかったですが、本作の主人公は鈍感を通り越して"ぶっ壊れ"系主人公となっております。
過去にいろんな女性から散々な扱いをされたおかげで、他人の好意を真正面から受け取めることができません。
故に他人からの好意を曲解し、間違った方向へもう突進していく…という勘違いラブコメというのが本作の特徴です。
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
とにかく展開がおもしろおかしい
基本的に本作の主人公・雪兎は頭がおかしいやつです(笑)
入学後の自己紹介で、いきなり「陰キャボッチの自分にはあまり話しかけないでね」という旨の宣言をしたり。
痴漢から女の子を守ったところ、同じ高校の生徒会長に痴漢と勘違いされ糾弾され、のちに勘違いだとわかると謝罪としてセフレ申請されたり。
他人の告白イベントにたまたま遭遇するも、「自分は空気みたいなもんなのでそのまま続けて」と促したり。
「どこが陰キャ?」
というレベルで他人とコミュニケーションを取り続けます。
そのうえ地文でも会話文でもとにかくよくしゃべるw
良くしゃべるのですがくどくなく、軽快に読み進められます。
そんな雪兎ですが、こんなにおかしなやつになってしまったのは、過去に女性たちからひどい扱いを受けたからです。
ヒロインたち側の心理描写が秀逸
この作品のヒロインたちは、主人公に様々なトラウマを植え付けています。
- 幼い頃に弟である雪兎を殺しかけていたり(物理)
- 仕事にかまけて愛情を注ぐことを忘れ、姉に母親としての役割を押し付けていたり
- 図らずも嘘告白のようなことになってしまっていたり
- ずっと両想いだったが雪兎が告白してこないがために、雪兎の気を惹くために好きでもない人と付き合って、幼馴染関係を強制終了させたり
- 電車の中で痴漢されている女の子を助けたら、逆に自分が痴漢だと勘違いされたり
という、この世の男がどれか一つでも経験したらトラウマになりそうな出来事を、ヒロイン総出で片っ端から経験させています(笑)
ヒロインたちは意図してこれらをやったのではなく、雪兎を愛しているから行動したがうまくいかなかった結果なので、自らの行いをとても悔いています。
この"後悔"の描写は随所に見受けられるのですが、心理描写が秀逸なのでものすごく感情移入できます。
また、「雪兎に私以上にひどいことをした」という視点で他のヒロインのことを見ているので、ヒロイン同士の関係はバチバチです。
そのあたりがこの作品を"ラブコメ"として分類できる要因かなと思います。
というより基本的にこの作品はラブコメです。
主人公がおかしすぎるだけで(笑)
総評
いやーこの作品、文章力が無駄に高いので飽きずにどんどん読み進められます。
正直これからの展開というのが全く読めません。
壊れてしまっている、手遅れな主人公が恋愛を通して正常な状態に戻っていくというのが大筋でしょうか?
2巻でそのあたりが分かるかもしれませんね。
引き続き追いかけたい作品の一つになりました。
以上、『 俺にトラウマを与えた女子たちがチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです 』 感想 ネタバレ レビューでした。