シリーズ第1巻 ファミ通文庫 レビュー

"なにかしら創作活動している人には絶対刺さる!" 『わたしを愛してもらえれば、傑作なんてすぐなんですけど!?』 感想 ネタバレ レビュー

みなさんこんばんは。ラーメン食太郎です。

今回は殻半ひよこ先生の『わたしを愛してもらえれば、傑作なんてすぐなんですけど!?』の感想記事です。

タイトルと表紙絵的に、よくあるハーレムモノと思って読み始めたのですが…いい意味で期待を裏切られる結果となりました。

詳しく見ていきましょう!

あらすじ

早逝した大作家が遺したのは、五冊の著作と丘の上の一軒家。

売れない高校生作家・進太朗は父の残してくれたその家でりやなさんと出会った。

「きみをわたしにくれたなら、きみがいちばん欲しいものをそそいであげる」

そうして唇を奪われた瞬間、素晴らしい小説のアイデアを閃くが――進太朗は執筆を拒否! 

「書ーいーてーよー! 絶対おもしろいんだからぁーっ!」と涙目で訴えるりやなさん。

彼女は自分が読みたい物語のために才能を授ける妖精だというのだが――

かくして、高校生作家が美しい妖精に誘惑されまくる奇妙な同棲生活が始まった!

『わたしを愛してもらえれば、傑作なんてすぐなんですけど!?』 殻半ひよこ ファミ通文庫 2021年8月30日 発行 より引用)

こんな人におすすめ!

  • 現実的なストーリーの中に、すこしおとぎ話的な要素が入り混じった作品が好きな人
  • 主人公を通して可愛いお姉さんと共同生活するなかでえっちな疑似体験をしたい人
  • なんらかの創作活動に打ち込んでいる人
  • 伏線が綺麗に回収されて、気持ちのいい読後感を得たい人

以上のどれか一つにでも当てはまる人にはすごくおすすめです!

ネタバレなし感想

twitterに投稿していたネタバレなし感想はこんな感じでした。

以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。

ネタバレあり感想

タイトルとイラストの印象とは裏腹に、しっかりした文章と構成!

冒頭でも述べましたが、タイトルと表紙絵のイラストだけの印象は、「よくあるハーレムものでエロの主張ばかり強い、物語としては中身のない作品かな?」と思いました。(失礼すぎる…殻半先生ごめんなさい…)

しかし、プロローグを読んでみると、印象は一変。

確かにルビや表現はところどころ独特なものがありながらも、しっかりした物語のバックボーンと、主人公の心理が描かれていて、「物語として、続きが気になるな」と思わされました。

コメディ調の中に葛藤を織り交ぜている

この作品に登場する"りやなさん"は人間ではなく、妖精。

リャナンシーというアイルランドの妖精をモチーフとしているようです。

リャナンシーをもじって、りやなさんということみたいです

リャナンシーは人の男性からの愛を欲し、人は愛を受け入れたとき、リャナンシーから才能を与えられる代わりに寿命を縮めるという逸話があるみたいです。

この設定が物語の中でのりやなさん、そして主人公の進太郎の心理に大きな影響を与えているのですが、設定のバックボーンがおとぎ話というのがまたおもしろいですよね。

そして、りやなさんは才能を与えることで自分の中にある"最高の物語"を作家に描かせようとするのですが、進太郎はこれを拒否!

その理由は…

りやなさんの物語はビターエンドだから。進太郎は作家としてハッピーエンドしか書かない主義だから。

そんなわけで進太郎はりやなさんからの申し出を断り、「そんなに読みたいなら自分で書けばいい」とりやなさんに小説の書き方を教え始めるのです。

ここから、創作活動に向き合う上での大変さというものがりやなさんを通して具体的に描かれ始めます。

もちろん表紙とタイトルの印象のとおり、エッチな展開も入っているのでそこはご安心を!

コメディ:シリアス = 3:7くらいのほろ甘い配分になっている印象です!

創作活動を行う上での葛藤が存分に描かれる

例えば、りやなさんは妖精なので、人の気持ちが分からず、そのせいで小説の続きが書けなくなります。

他にも、Web小説投稿サイトに自身の書きかけの作品を投稿し、アンチに叩かれてしまったりもします(笑)

しかし、そのたびに進太郎は筆を進めるための方法を逐一りやなさんに教えてあげることで、りやなさんの作品は着実に完成に向かっていきます。

ここでりやなさんが立ち止まったり立ち止まったりやなさんの背中を押す方法という部分が、創作活動を行う人にとって、共感できるものになるのではないかと思いました。

このあたりの詳しい内容は、ぜひお手にとって読んでみてください!

また、"作品"というものに対しても印象的なことが書かれていて、

  • 作家は死せども、作品は残り、後世の読み手に変わらず愛されていく
  • 人が作品を選んでも、選んでくれた相手を作品が拒むことはない

ということが、この作品を通して表現されています。

きっとこれは殻半先生の美学でもあろうなと思えて、印象深い部分でした。

総評

伏線と登場人物の気持ちを綺麗に拾って、丁寧に最後まで書かれている良作だと思いました。

特に転→結への展開では、序盤で出てきた要素が点が線を結び、物語が一気につながる爽快感を味わうことができます。

起承転結がしっかりしていて、単巻作品としてもってこいな構成だと思いました。

食太郎個人としては、このタイプの作家さんはすごく好きなので、ぜひ他の作品も読んでみたいと思いました。

以上、『わたしを愛してもらえれば、傑作なんてすぐなんですけど!?』 感想 ネタバレ レビューでした。

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