シリーズ第1巻 レビュー 電撃文庫

"記憶と恋がしゅわりと弾ける"『天使は炭酸しか飲まない』 感想 レビュー

こんばんは、ラーメン食太郎です。

今回の感想文は『天使は炭酸しか飲まない』です。

この作品、キャッチコピーとして、

"記憶と恋がしゅわりと弾ける"

とあります。

なんだか、神山羊さんの、『色香水』の歌詞みたいですね。(色香水は、「記憶の中ではふわっと香る」ですが)

実際、この作品のBGMには 神山羊さんの、『色香水』 がすごく合うと思います。

表紙とタイトルを見た感じだと、天使とは表紙の女の子のことだと思ってしまいそうですが、実は表紙の女の子は、かの「天使」ではありません。

では、天使とはだれのことなのでしょう?

さっそくあらすじから入っていきたいと思います。

あらすじ

久世高校に通う主人公の明石伊緒には、不思議な"ちから"がある。

それは、相手の顔に触れることで、相手の好きな人を知ることができるというものである。

そんな"ちから"と、忘れられない過去があって、伊緒は久世高校の"天使"として、正体を隠しながら生徒の恋のお悩み相談に乗ることを使命としていた。

ある日、伊緒のもとに現れたのは、柚月湊。

久世高校の"三大美女"にして、異常な惚れ癖を持つ彼女は、自身の惚れ癖を直すべく、伊緒に助けを求めるのであった。

そして伊緒は、湊の惚れ癖を治すべく、奮闘する。

伊緒が"天使"となった理由は…?

湊の惚れ癖の原因とは…?

2つが明らかになったとき、しゅわりと恋が弾ける。

という感じです。

所見

前提として、不思議な"ちから"が存在する世界です

その"ちから"を持つのは、伊緒だけなのですが、この物語の前提として、不思議な"ちから"を持った人が登場します。

今巻の時点でその"ちから"を持った人というのは、伊緒だけです。

伊緒はその"ちから"を使って、問題を解決すべく奔走します。

ただ、「青ブタ」シリーズと違って、この作品の中での不思議な"ちから"は、問題を起こすものではなく、逆に問題を解決するために存在している、という感じでした。

また、"ちから"は物語を展開させる要素ではあるものの、それがないと物語が展開していかないということはありません。

なので、ファンタジーな概念が存在する作品が苦手な人でも、特に意識することなく読み進められると思います。

具体的な地名が登場する作品にハズレを見たことがない

この作品、滋賀や京都の地名が具体的に登場します。

また、作品のシーンに滋賀や京都の町が具体的に描写されています。鉄道やお店なんかもそのままです。

食太郎は神戸の出身で、滋賀も京都も何度か訪れていて、作中に登場する舞台も、イメージできたので、物語のシーンが具体的にイメージすることができました。

かの青春ラブコメの金字塔『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』、『弱キャラ友崎くん』、『青春ブタ野郎シリーズ』など、実在する都市が舞台になっている作品で、あまりハズレの作品を見たことがありません。

やはり、実在する都市をイメージして、物語のシーンの舞台を描けるので、より具体的に映像を見せることができるからかもしれません。

砂糖の入っていない、すっきりとしたレモン風味の炭酸水のような読後感

この作品、ジャンルは学園ラブコメでいいと思うのですが、個人的には砂糖はほとんど入っていないなという感想です。

今巻では、砂糖まではいかず、レモンの風味のする炭酸水というような印象。

伊緒と湊の二人の過去をさらけ出し合い、後悔や自己肯定といった悩みをお互いに支え合うというような形で物語は進みます。

また、お互いが好意をぶつける、という展開は今巻ではまだありません。おそらくここから二人の恋が始まる、というような位置づけになるようなお話でした。

ちなみにですが、この作品に出てくる「炭酸」は、伊緒の過去に好きだった人の隠喩だったりします。

表紙・目次のデザインが素晴らしい

ライトノベルがライトノベル足りうる理由というのは、文体が軽いというのはもちろんなのですが、イラストやデザインの存在も欠かせないと思っています。

なので、個人的には表紙やデザインも含めて、一つの作品だと思っています。

そして、今回の『天使は炭酸しか飲まない』という作品は、表紙や目次のデザインが、ここ最近見た中で一番くらいに素晴らしいです。

なかでも感動したのが、この目次のページ。

作品のコンセプトである、「炭酸」をとても見た人に感じさせるようなデザインだと思いませんか?

色遣いはもちろん、炭酸の「泡」を彷彿とさせるような模様。

そしてフォントもまた、なんとなく「炭酸」の淡いイメージを想起させるようなフォントで、美しいですよね。

感想

ネタバレを防ぐため、ストーリの深い内容は紹介しませんでしたが、あなたがもし、現在進行形で片思いをしているのであれば、この本を読んだ後にはきっと、思いを伝えようと決心できるはずです。

また、自分の存在を肯定できない人にとっても、「自分は自分でいいんだ。変わりたいと思っていても、それは急激に変える必要はない」という勇気をもらえるはずです。

ここ最近で読んだ作品の中では、一番と言っていいほど、自分の感情を揺さぶられた作品でした。

続巻が出ることを期待してやまない一冊です。

以上、『天使は炭酸しか飲まない』の感想でした。

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