
こんにちは、Kanon です。今回は…

裕夢先生の『千歳くんはラムネ瓶のなか』の5巻の感想記事です。

今回のメインは夕湖なのですが、夕湖がヒロインとして動くわけではなく、人によっては夕湖が嫌いになってしまうかもしれません…

詳しく見ていきましょう!
あらすじ
いつかきっと、この日々を思い出す。
夏休み。藤志高では恒例の、2・3年合同の勉強合宿。
と言っても、2年生の俺たちにとっては、仲間たちと夏のイベントを楽しむいい機会だ。どこまでも青い空と海。色とりどりの女子の水着。夜、ふたりきりのナイショ話。男だけの温泉回(?)……。
眩しい光景を見つめながら、あるいは目をそらしながら。
俺たちは、こぼれ落ちそうな思い出を、ポケットいっぱいに詰め込んでいく。――なにかが変わる夏が、賑やかに密やかに、幕を開けた。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 より引用)
前巻の復習はこちらからどうぞ
ネタバレなし感想

twitterのネタバレなし感想はこんな感じでした。
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想

あらすじにある通り、「なにかが変わる夏」の幕開けです
これまで悠月、明日風、陽がメインヒロインとしての巻が続き、この3人が千歳くんのことを本当に好きになるまでの過程が描かれていました。
さらにもともと千歳くんに好意があることを公言していた夕湖。
公言はしていないものの、素振りは見せていた優空。
チーム千歳の女の子たちは、みんなが千歳くんに好意を持っている状況です。
この巻での最初は、そんな千歳くんに好意を持ち始めた3人のヒロイン。
悠月、明日風、陽 と千歳くんの心の現在地が描かれます。

まず、その3人と千歳くんの現時点の心の距離についてあげていきます!
私のイチオシ! 明日風
まずは千歳くん→明日風に対して。
高校で出会ったふたりの過ごしてきた時間は、いつだってこんなふうだった。
夏の日の蜃気楼みたいに儚げで、どこか打ち水のようにたおやかで、ひとつひとつの言葉を丁寧に紡ぐこの人を繋ぎ止めようとするように、俺も自分のなかにある言葉を何度も手探りしたっけ。からん、ころん、からん、と静けさが踊る。
ただ話をしているだけでいい。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 P.45,46 より引用)
そう思える初恋(ひと)だった。

ええええええええ!!!
「初恋だった」って過去形で言ってしまってますね…
そして明日風もまた…
ただ話をしているだけでいい。
そう思える初恋(ひと)だった。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 P.51 より引用)

こっちも過去形!
いやいや落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない。
「初恋だった」のが、「今恋」になったのかもしれんやん?
そうだ、きっとそうに違いない。そういうことにしよう(錯乱)
明日風も遠回しに告白している件について
千歳くんと明日風が二人になった際、告白のタイミングについての話になりますが、明日風はこんなことを言っています。
「たとえばそうせざるを得ない状況に追い込まれたとき。他の誰かが好きな人に告白しようとしていることを知った、好きな人が転校なんかでいなくなってしまう、あるいは……自分が、いなくなってしまう」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 P.255 より引用)

これ、遠回しに「いずれいなくなる自分に重ねて、いずれいなくなる私はきみに告白するよ」って暗に言ってるようなものですよね
こんな風に遠回しに好きって伝えてるあたりが明日風っぽくてとてもよき。
2番目の推し!陽
こっちも二人ともに…
どこまでもいっしょに走り続けていたい。
そう思える相棒(ひと)だから。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 P.69 より引用)

あい…ぼう…?
まてまてまてまて。
まだ慌てるような時間じゃない。
結婚も人生のパートナーとかいうやん?
そう思うと相棒というのは恋人の柔らかめな表現かもしれん。
すでに告白していた陽は
千歳くんとギクシャクしてしまい、告白自体をなかったことにしようと「やっぱり気にしないで」と言おうとしますが…
「──気にしてほしいッッッ!!!!!!」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 P.267 より引用)
「なかったことにすんの、無理ッ! あんたには私のこと、男友達みたいに付き合える相手じゃなくて、恋愛対象の女の子としてちゃんと見てほしい!!」
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 P.270 より引用)

っは~~~~~かわいい!!(歓喜)
普段は女の子感を出そうともしていませんが、千歳くんの前でだけは女の子であろうとする姿がもうかわいすぎる!!(最高)
そして悠月
誰よりも理解りあっていたい。
そう思える男の子(ひと)だから。
誰よりも理解りあっていたい。そう思える女の子(ひと)だから。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』裕夢 ガガガ文庫 2021年4月25日 発行 より引用)

こっちのほうが異性として見合っていて、本命としては濃厚…なのでは…?
悠月は全然嫌いではありませんが、やはり私としては明日風とくっついてほしすぎる。
このままの関係でいたい。そう願うチーム千歳のメンバーたち。
この巻のなかで、海人→夕湖のことが。
和希→悠月のことが好きであることが描写されます。
これまで見えなかったお互いの好意のベクトルが浮き彫りになり始めたところで、「いまのままの関係でいられる時間は長くない」ことをチーム千歳のみんなが感じ始めます。
しかし、「いまの関係が変えること」を恐れてみんながみんな、自分の好意のベクトルを明らかにすることはありませんでした。
そんな水面のような関係に一石を投じたのは…夕湖でした。
夕湖の行動について、おそらく賛否別れると思う
今巻のラストにて、チーム千歳のメンバーみんなが見ている前で千歳くんに告白した夕湖。
千歳くんは、「自分の心には別の女の子がいる」といって夕湖をきっぱりと振ります。
これがきっかけで、チーム千歳の面々の好意のベクトルがどう向いているのかも明らかになりました。
そうなれば、これまで通り、お互いがお互いの好意を見せずに過ごせていた関係には戻れません。
夕湖は、それが分かっていながらもみんなの前で千歳くんに告白したわけです。
夕湖は勇気ある行動をしたと思う
普通の人間の思考であれば夕湖のような行動をとった場合、仲間内の調和というのは確実に崩れることはわかることでしょう。
それが分かるからこそ、行動できないはずです。
仮に夕湖が普通の人間の思考をしていた場合、それが分かったうえで行動しているということになります。
であれば、そうなってでも今の関係を変えようとしたことは、普通の人間ではできないことのはずなので、夕湖はとても勇気ある行動をしたと思います。
一方で、「なんでそんなことしたの?」と憤りを感じる人もいると思う
逆に、「調和を乱すことをわかっていながら和を乱す行動をあえてした」という点で、憤りを感じる人もいることでしょう。
わざわざみんなの前ではなくて、どこかで千歳くんとふたりきりで告白すればいい話だったわけですしね…
総評
バラバラになってしまったチーム千歳。
ここから彼らの関係はどうなっていくのでしょうか…?
そして夕湖はいったん正妻レースからは脱落。
残るは優空、悠月、陽、明日風。
もしかして優空がダークホースだったり…?
私、続き気になります!
以上、『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』 感想 レビュー ネタバレでした!