こんにちは、Kanon です。今回は…
『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』についての感想記事です。
絵や表紙デザインも含めて、私は"ライトノベル"という作品だと思っているのですが、ももこ先生が描くロシデレのキャラ絵、そして表紙デザインと表題フォントも美しいので、とても目を惹きますよね。
twitterではよくタイムラインに感想記事が流れてきていて、ずっと気にはなっていた作品でした。
カカオさんが書かれていた通り、これまでのツンデレキャラとは一味違うアーリャさんの個性が際立っていて、それでいてストーリーの面でもとても面白い作品でした!
これはアニメ化来るんじゃないかと確信できます。
というわけで、詳しく見ていきましょう。
2巻の感想記事はこちらからどうぞ!
あらすじ
才色兼備で孤高の存在、アリス・ミハイロヴナ・九条こと通称・アーリャさん。
ロシア人の父と日本人の母から生まれたハーフで、ロシア語ペラペラである。
そんなアーリャさんは近寄りがたい雰囲気を発しており、基本的にアーリャさんに話しかける生徒はおろか、愛称の"アーリャ"で呼ぶ人物もいない。
そう一人を除いて。
主人公の久世政近は、アーリャさんと隣の席同士で、孤高のアーリャさんが唯一まともに話す相手であった。
政近は才色兼備ということはなく、ポテンシャルは高いものの基本的にやる気はなく、いつもヘラヘラゆるゆると日々を過ごしており、そんな態度の政近に対してアーリャさんはいつも怒っている…ように見えるのだが…
実は怒っているように見えて、ときどきボソりとロシア語でデレているのであった。
「政近はロシア語が分からない」
そう思って油断していたアーリャさんなのだが…
実は政近はロシア語を話せる…
けど、実は毎回デレてる内容が分かっているということを今更言えるわけもなく、今日も政近はアーリャさんのデレを食らいつつもロシア語が分かっていることを悟られないよう、照れた感情を顔に出さないよう戦っているのであった…
というのがあらすじです。
ツンデレキャラはこれまでにたくさんいたけど、ロシア語でデレてて、しかもそれが相手にバレてないと思いんでいるけど実は筒抜けっていうところが、新しいツンデレジャンルのコメディとして面白いですよね!
どんな人におすすめ?
- 小気味いい会話のテンポが好きな人
- 学園ラブコメが好きな人
- ツンデレヒロインが好きな人
- いつもと違うお約束展開を求めている人
以上のどれか一つでも当てはまった人にはとてもおすすめです!
ネタバレなし感想
twitterでのネタバレなし感想はこんな感じでした。
とまあネタバレしないように、本当に今回はあたり触りのない感想ですね
以降はネタバレを含む感想になるので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。
ネタバレあり感想
ネタバレあり感想はざっくりこの辺りについて触れます!
- 全体的に物語の進むテンポがいい
- ニーソを穿かせるシーンについて
- アーリャさんが助けを求めるシーン
全体的に物語の進むテンポがいい
おそらく短編で書かれていた物語を、書籍化にあたって直したんだろうな…?
と思いながら読んでいたら、あとがきにてやっぱりそうであったことが判明!
そうだろうなと思ったんですよね。
その根拠は、物語のテンポがすごくよかったからで、ストーリーの途中途中に差し込まれているような政近を生徒会役員へ勧誘するような描写が若干浮いているような気がしたからです。
"若干浮いている"というのは語弊を生むかと思うのですが…
メインのテーマは、"デレを隠すためにロシア語で話すアーリャさんだけど実は全部筒抜け!"というところのはずで、その太い幹に枝のように生えているエピソードというのが政近の生徒会への勧誘という風に読み取っていました。
ですがあくまでこの枝は太い幹から派生したものなので、物語全体の調和を乱すものではないです!
なので、これから読むという人もストーリがぶれる心配なく読み進められると思います。
政近がアーリャさんにニーソを穿かせるシーン
このシーン、甘さと面白さが半端なくて、いまのところ今月読んだ作品の中で一番好きなシーンですw
トラックに水たまりの水をかけられ、ニーソを濡らされてしまったアーリャさん。
ニーソを穿き替えようと政近の隣で脱ぎ始めるのですが、その姿からとっさに目をそらすものの動揺を隠せない政近。
そんな政近をからかおうと、自分にニーソを穿かせるようにお願いするアーリャ。
政近は迷ったものの、「合意の上ならセーフ!」と脳内会議を完結させ、実際にアーリャにニーソを穿かせるものの、いざ男に穿かされると、太ももにつたわる手の感触に耐え切れなくなり、とっさに政近の顎に蹴りを入れますw
顎を粉砕され倒れこむ政近。
さすがに心配したアーリャさんは政近に駆け寄ります。
そして政近はアーリャさんが近寄ってきたタイミングで、推理ドラマのダイイングメッセージを書くシーンさながら、床に指を這わせ、こう動かします。
「ピンク」
これに羞恥が最高潮に達したアーリャさんは、ロシア語で「信っじらんない!バカ!死んじゃえ!!」と吐き捨てて教室を出ていく。
というのが一連の流れとしてあるのですが、このシーン、アーリャさんの可愛さ・理不尽さ、そして政近のボケとフルコンボで私を刺激しました(笑)
アーリャさんが助けを求めるシーン
才色兼備で、普段から毅然としているアーリャさんが、どうにもならない状況に陥り、虚空に「助けて…」とつぶやくシーンがあります。
そのつぶやきを陰ながら聞いていた政近は、アーリャさんを助けるために動きます。
このシーン、二つの意味でとてもいいシーンだと思いました。
第一に、普段強気なアーリャさんが弱みを見せるシーン。
第二に、女の子が助けを求めていることを知り、さっそうと現れて助けていく政近。
そう、この作品はアーリャさんはもちろん可愛いのですが、政近もとてもかっこいいのです。
とあるの上条さんみたいに表立って誰かを助けるということはしないのですが、陰ながら誰かを助けるというタイプなのですが、これが優しさや正義の押し売りではなく、さりげない優しさに映るのでとても魅力的な男キャラに仕上がっていると思います。
余談 「いい一文だな」と思った一文
「炯々として眼差しで政近を貫く」
です。
炯々(けいけい)の意味なのですが、恥ずかしながら私は知らず、読みながら調べたのですが、
- 目が鋭く光るさま
- 物がきらきら光り輝くさま
という二つの意味を持つみたいです。
で、なぜこれがいい一文がと思ったかというと、1・2の両方の意味で通じるだけでなく、
アーリャさんの目は青いサファイヤのような瞳という描写があるので、
宝石のような瞳を称えるために、2のほうの意味を強く意識したのではないかと思いました。
この一文、何気ないものの、日本語らしく短い単語ながらいろんな表現ができる美しい一文だと思いました。
総評
先に述べたように、物語の本筋のテーマは "デレを隠すためにロシア語で話すアーリャさんだけど実は全部筒抜け!" だと思うのですが、"生徒会"という組織に関わるストーリーも多く、物語を続けていくためのゴールとして生徒会のテーマがあるんだろうなと思いました。
また生徒会に関わる中でアーリャさんの過去や政近の過去も語られており、2人の過去をお互いは知らないものの、2人が一緒にいる理由はそれぞれの過去の経験が根拠になっていて、2人でなければこの物語は成立しないんだな、という状況が出来上がっています。
次巻では、"生徒会長を目指すアーリャさんと、それを助ける政近"という構図で物語が進むのかな?
早く続きが読みたい!!
と思える1巻でした。
以上、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』 感想 レビュー ネタバレでした。