こんにちは、Kanon です。
早いもので3月が終わろうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか?
私は相変わらずラノベを読んで過ごしておりまして、今月も毎月恒例推しラノベを紹介したいと思います。
例のごとく、今月刊行の新刊からの選抜ということではありませんので、あらかじめご了承ください。
さっそく参りましょう。
今月のベストヒット3傑
今月、刺さった作品は次の3作品でした。
- 美少女とぶらり旅
- 君は僕の後悔
- きみは本当に僕の天使なのか
以下、詳細です。
『美少女とぶらり旅』 著:青季ふゆ 絵:いちかわはる
どんな作品なの?
忙しない日常から逃れて旅がしたい! そんな望みを、学年一の美少女と叶えられたら?
東京に住む高校生、高橋翔は窮屈な日常に嫌気がさして旅に出ることを決意。駅のホームに着くと同級生、七瀬涼帆の姿があった。
思い詰めた様子の彼女を見て、翔は「俺と一緒に旅に出よう!」と誘って――。最初は不信感たっぷりだった七瀬も、いつもの鉄仮面を脱いで足湯にほっこりしたり、ご当地グルメに舌鼓を打ったりと満喫し始める。
「べ、べつに楽しんでなんかないんだから!」
「私、夕陽が好きだったみたい」
「ありがとう、私を旅に連れ出してくれて」ワケありクーデレ美少女と紡ぐ、解放感120%の旅ラブコメ!
『美少女とぶらり旅』 青季ふゆ ファンタジア文庫 2021年12月8日 発行 より引用
魅力
これまでにない、現実世界の旅行記という感じです。
魔法や不思議な力が存在する世界での旅モノのラノベはいくつかあったかと思うのでは、現実世界それも日本を舞台とした旅モノのラノベというのは初めて見たような気がします。
現実に存在する場所が舞台なので、読んでいる自分自身、作品に登場した場所に行ってみたいなと思えるし、いつか自分の住んでいる場所や故郷が登場する楽しみなんかも秘められた作品だと思います。
高校生が現実からの逃避行をしているという状況はやや非現実的ですが、そこはフィクションということで割り切って読むことをおススメします。
主人公に自己投影しながら作品を読み進めてみると、「こんなかわいい子と旅をしてみたかった」と思えるような作品になっていると確信しています。
詳しくは過去の投稿をご参考に。
『君は僕の後悔』シリーズ 著:しめさば 絵:しぐれうい
どんな作品なの?
浅田結弦には、後悔がある。それは中学生時代に付き合っていた恋人、水野藍衣のことだ。
自由な藍衣が、好きだった。
でも、彼女の自由さに、苦しんだ。
過ぎ去った中学時代の恋。
二人の恋はゆるやかに過去となり、思い出になってゆくはずだった。
しかし、高校一年の夏、藍衣は再び、結弦の前に姿を現す。
「結弦、好きだよ」
……以前と変わらぬ、むき出しの好意を携えて。
言葉にしないと伝わらない。でも、言葉だけでは分からない。
正反対の二人が、ぶつかり、すれ違い……ようやく見つけた答えとは。
後悔を抱えた少年少女の、恋と対話の物語。
『君は僕の後悔』 しめさば ダッシュエックス文庫 2021年7月21日 発行 より引用
魅力
思春期の少年・少女の心の内や、行き場のない感情を存分に読まされます。
抱え込んだ感情をうまく言葉にできない登場人物達。
そんな登場人物の心理をひたすらじっくりと地の文で読まされるような作品です。
タイプ的には、キャラ同士の掛け合いを基本として進んでいく物語ではなく、とある人物の心情に焦点が当てられていて、それをじっくり読まされていく。
気付いた時にはそれぞれの登場人物の感情に完全に同調していて、最後にお互いの気持ちをぶつけあうシーンが来た時には、なんともたまらない気持ちにさせられていると思います。
登場人物ひとりひとりの心理描写がものすごく丁寧で、コメディ調の作品ばかりではなく、たまには本格的に読書の世界に没入したい、といった気分の方にはものすごくオススメな作品です。
個人的には、アニメ化くるんじゃないかと思っています。
詳しくは過去の記事を参考に。
『きみは本当に僕の天使なのか』 シリーズ 著:しめさば 絵:緜
どんな作品なの?
推しアイドルとの疑似カップル生活!?
“完全無欠”のアイドル瀬在麗。
『彼氏発覚』『嫌がらせ不祥事』など、推したアイドルがことごとく引退していった僕の、最後の希望が、麗だ。
彼女が、僕の推す最後のアイドル。そう決めていた。
女性恐怖症を患い、女性と物理的距離が近づくと身体に不調が出てしまう僕が、勇気を出して参加した麗の『握手会』。
しどろもどろになりながら言葉と握手を交わしたその夜に、麗は何故か、僕の家に押しかけてくる。「君さ、あたしの彼氏になってくんない?」
麗のその言葉から、僕の日常は急変した。
ステージの上に立つ麗しか見たことのなかった僕に次々と開帳されてゆく彼女の『オフ』の姿。
そして、麗が僕に近づいてきたことにも、「恋人になる」のとは別の目的があり……。
ただ憧れていただけのアイドルと共に過ごすことで、そのまばゆい輝きと、その下にぽっかりと口を開いた“深淵”を見つめることとなる。
女性を恐れながら、同時に憧れる僕。そして、アイドルとして輝きながら、どこか破滅に向かっているように見える麗。
二人の“恋人ごっこ”が向かう先にあるものとは。“アイドル”を巡る、新たなる闘いの物語。
『きみは本当に僕の天使なのか』 しめさば ガガガ文庫 2021年7月26日 発行 より引用
魅力
この作品のテーマは大きく二つあると思っています。
- アイドルとの出会いがきっかけで女性恐怖症となった主人公が、再びアイドルと出会うことで女性恐怖症を克服していくまでの物語
- 好きな男の子を振り向かせるためにアイドルとなった女の子がアイドル道をひた走る物語
この二つです。
まずは、いちアイドル応援モノの小説としてものすごく楽しむことができます。
私はアイドルに全く興味ありませんが、この作品を読んでいると、アイドルを応援している人たちの気持ちが分かる気がします。
そしてもう一つは、主人公が女性恐怖症になった原因と、それを克服していくまでの過程。
主に心情の変化がしめさば先生らしくとても繊細に、そして衝撃的に描かれていて、読んでいて少し嫌悪感を覚えるくらいリアルに描かれていると思います(褒めてます)
おそらく作品のテーマとして「ジェンダー」というものがあるのだと思うのですが、この難しいテーマをどのように扱っていくのかが見どころになっていくと思います。
現在は2巻まで刊行されていますが、2巻がとても衝撃的な展開で終わっているので、3巻が待ち遠しい作品です。
詳しくは過去の記事を参考に。
総評
今月はしめさば先生の作品が2/3を占める展開となりました。
もともとしめさば先生は『ひげひろ』で知り、同じ作者ということで購入したものの、積んでいた『君は僕の後悔』を読み始めると、一気に引き込まれていきました。
『君は僕の後悔』を読み終えた後で、別レーベルから『きみは本当に僕の天使なのか』を出版していることも知っていたので、流れで読み始めるとこちらもまた面白く…一気にハマっていったという次第です。
『美少女とぶらり旅』は個人的には新感覚なラノベだったので、今月読んだ作品の中でも印象に残ったんだと思います。
物語としても、旅先で出会った人たちが思春期の少年・少女のに影響を与えていく様子がうまく構成されていて、今後どのような展開になっていくのか楽しみな作品でもあります。
今月の3シリーズ、いずれも続編に期待したいです。
以上、『【2022年3月】毎月の推しラノベ!!』でした。