
こんにちは、Kanon です。
いつもは読んだライトノベルの感想ばかりですが、今回は、今月読んだ作品の中から、特に人に薦めたいと思った作品を3つ紹介していきたいと思います。
※今月刊行の新刊からの選抜ということではありませんので、そこはあらかじめご了承ください。
それでは参ります!
今月のベストヒット3傑
今月の特に刺さった作品は、次の3作品でした。
- 『ひだまりで彼女はたまに笑う。』 シリーズ
- 『天使は炭酸しか飲まない』
- 『優雅な歌声が最高の復讐である』
以下、詳細です。
『ひだまりで彼女はたまに笑う。』著: 高橋徹 絵: 椎名くろ

どんな作品なの?
作品の内容を一言で表すと、「人を笑顔にすることが好きな主人公が、人前で笑わないヒロインの笑顔を引き出すために奮闘する」という感じです。
設定は主人公・ヒロイン共に高校生です。まだ純粋な二人の高校生が、日々の中でお互いの認識をほんの僅かずつ変化させていく過程を、とても微笑ましく眺めていられる作品です。
もっと詳細なあらすじや、感想について気になる方は、過去記事をご覧ください。
なんでこの作品なの?
私は、基本的にラブコメを読むことが多いです。読んでいる作品の9割近くはラブコメです。
なので、必然的にランクインしてくる作品はラブコメであることが多いです。
しかし、最近読んでいたラブコメの多くは、非日常的なシチュエーションが多かったです。
その他、最近のラノベ原作のラブコメは、普通は起こりえないようなシチュエーションでの恋が多いような気が個人的にしています。
けど、この『ひだまりで彼女はたまに笑う。』はむしろ逆で、シチュエーション自体は、「とんでもない美少女が同じクラスにいる」という点を除いては、きっと現在・もしくは過去高校生だった読者の周りでも起こりうるシチュエーションです。
そんなシチュエーションでも、恋が進展していく様を飽きることなく見ていられます。
その理由は、おそらく登場人物の「会話」にあると思っていて、地の文でシチュエーションや、イレギュラーな心情を語られるのではなく、「会話」の端々から登場人物の距離感を感じることができるので、「キャラクターがただ会話している」だけで距離感や心情が読み手に伝わるからこそ、シチュエーションに関係なく、微笑ましく見ていられるのだと思いました。
そういった王道を行くラブコメって久々で、直球でおもしろいな、と思ったことが選考理由でした。
『天使は炭酸しか飲まない』 著: 丸深まろやか 絵: Nagu

どんな作品なの?
主人公は「顔に触れた相手の好きな人が分かる」という”ちから”を持っていて、その力を駆使して通う高校の恋愛相談を引き受ける"天使"を、秘密裏に演じていた。
しかし、ある日、偶然ヒロインの顔に触れてしまったことによって、自身が天使であることをヒロインに知られ、また主人公自身も、ヒロインに多くの好きな人がいるという「惚れ癖」があることを知ってしまう。
それをきっかけにして、ヒロインが主人公に「惚れ癖」を治すことを依頼し、主人公もまた自身の"ちから"を駆使して、ヒロインの「惚れ癖」を治すべく奔走します。
もっと詳細なあらすじや、感想について気になる方は、過去記事をご覧ください。
なんでこの作品なの?
この作品を選んだ理由は、先に述べた『ひだまりで彼女はたまに笑う。』の選考理由とは真逆の理由になります。
この作品では、"ちから"というこの作品世界の中だけに存在する、不思議な能力があります。また、ヒロインの「惚れ癖」も現実世界に存在しないことはないとは思いますが、そんな特性を持った人物というのは稀な存在です。つまり、この作品はどちらかというと、レギュラーな状況下でのラブコメということになります。
しかし、イレギュラーな状況だからこそ、人の心理を深堀することができるというもの。
「相手の好きな人が見える」ということは、自分が恋をしている状況においては、自分の気持ちを伝える前に、相手の気持ちを知ることができてしまうというわけで…良い結果が見えているのであれば、何も迷うことはないと思うのですが、悪い結果が見えたとき、果たして人はポジティブな行動を起こすことができるでしょうか?
多くの人はネガティブになり、行動を起こすことをあきらめてしまうと思います。
その結果、後悔が残る未来が訪れるのであれば、たとえ結果が悪いものだったとしても、結果は結果として受け止めて、後悔は残さないよう行動すべきだと、この作品に説得されたような気がしています。
こうしたメッセージを、心の奥に突き刺されたことが、選考理由でした。
余談1 Youtubeにて販促PVが公開されています!
主人公は石川界人さん、ヒロインは花守ゆみりさんが演じられています。
余談2 第2巻制作が決定したようです!
余談3 作品の略称が公式決定したみたいです!
『優雅な歌声が最高の復讐である』著: 樹戸英斗 絵: U35

どんな作品なの?
主人公はサッカー、ヒロインは歌手として、自分の夢の舞台へひたすらに駆け上がっていました。
しかし二人とも、突然夢をあきらめざるを得ないような状況に襲われてしまい、二人は現実に絶望してしまいます。
そんな状況下で出会った二人の男女が、夢を再び目指すための原動力を得るための日々を描く作品です。
もっと詳細なあらすじや、感想について気になる方は、過去記事をご覧ください。
なんでこの作品なの?
この作品の要素としては二軸あると思っていて、「昔出会った憧れの人と再会し、恋に発展する」と「夢を目指す人の挫折と再生」の2つです。
恋愛模様については、この手の作品の王道エンドを迎えるのですが、2つ目の軸である「 夢を目指す人の挫折と再生 」については、考えさせられるものがありました。
日常の中で、きっと多くの人には自分の目指す理想像というものがあって、そこに近づくべく、日々を過ごしていることと思います。
しかし、理想をあきらめざるを得ないような状況に陥って、そこから再び立ち上がるために必要なことは、「好き」という気持ちなんだということをこの作品では伝えたかったのだと思います。
ちょうど私も、普段の生活のほうで壁に当たっている閉塞感があったときにこの作品を読んだのですが、この作品の主人公やヒロインのように、辛い状況のなかで、一度はあきらめたとしても、また時間をかけて理想に向かって歩き出せばいい。今すぐ人間は変わらないけど、一歩ずつ進んでいけばいいんだよ、という風に励まされた気持ちになれたことが、選考理由です。
総評
ここまで書いて気づいたのですが、今月は3作品すべてが電撃文庫でしたね。
私は特に好きなレーベルがどことか、このレーベルしか読まないとかいった縛りはしていないので、本当にたまたまです。
今後四半期ごとに、レーベル別読破数みたいなランキングを出してみても面白いかもしないなと思いました。
あと、今月のおススメ作品について、リスト形式で表示していますが、あえてナンバリングはしていません。
これは、上記の3つ以外のどの作品も面白くて、すべてに順位をつけるのが難しいというのと、作者様もこのブログを見てくださっていることがあるので、平凡な1読者の私が順位をつけたりするのは失礼だと考えているからです。
なので、「どの作品が一番か?」という観点ではなく、「どの作品が個人的に刺さったか」という目線で紹介したいと思い、このように表現してみました。
以上、『【2022年1月】毎月の推しラノベ!!』でした