こんにちは、Kanon です。
今回は、先日短編集を紹介した作品、『お隣の天使様にいつの間にかダメ人間にされていた件』シリーズの推薦記事です。
この作品の魅力は何といっても、
「くっそ…早く好きっていうんだ…!!いま言うんだ…なぜ言わない…」
と胸の中で100回くらい唱えるところです。
そして、
「きみたちもう好き同士とかじゃなくてもう結婚してるやん…」
とこれまた100回くらい唱えるところです(笑)
それではさっそく本題に入っていきましょう。
どんな人におすすめ?
- 隣人系ラブコメが好きな人
- 最初は他人に対して壁を持っていた女の子が優しくされたことによって徐々に心開いていく系の話が好きな人
- 主人公が鈍感でなかなかヒロインの行為に気づかないのが好きな人
以上のどれかに当てはまる人には間違いなく楽しんでもらえる作品だと思います!
あらすじ
主人公の藤宮周はある雨の日の帰り道で、ずぶぬれになった学校一の美少女にして、"天使様"と呼ばれる椎名真昼に傘を貸す。
それまでは周と真昼の関係は、ただの"隣人"でしかなかったのだが、この一件をきっかけにして二人の交流が始まった。
そして、自堕落な周の生活ぶりを垣間見た真昼は周のことを放っておけなくなり、食事を作り、部屋を掃除するなど、何かと世話を焼くようになる。
家族との繋がりに飢え、他人に素直に心を開くことができなかった真昼は、周との交流を重ねるにつれ、次第に周に好意を持つようになる。
一方で周は、真昼からの好意に対して自信を持つことができなかったものの、周囲の後押しもあって、自信を持つための努力を始めるのであった。
こうして2人はお互いを思い合いながらも、その気持ちは秘めたまま、相手への気持ちを募らせていく…
といった感じのお話です。
所見
ツンケン→デレ→デレデレ
周と出会ったばかりの頃の真昼は他者に対して壁を作っている感がすごいのですが、次第にその壁が崩れていき、逆に真昼からアプローチを書けるようになるのがたまらなく可愛いです。
その好意に対して自信を持てない周は真正面から向き合うことができないのですが、見ているこっちからすると、
「だいじょうぶ!ほら、自分も好きって言っちゃえよ!!」
と心の中でいうのですが、本の中にいる周に聞こえるはずもなく、こっちはひたすらやきもきします。
だがそれがいい!
大きな山や谷がない
この作品は基本的には大きな事件というのは起こりません。
普段の生活の中で隣人以上恋人未満な二人が、その関係の中でお互いを意識し合ってドキドキしている様を見せつけられ続ける展開が続きます。
喧嘩して修復不可能なほど関係が悪化したり、逆に激しく恋をするような描写もありません。
日常の中でのほんの少しときめくシーンを切り取って見せられる構成になっているので、読む側としては安心してお話を読むことができます。
一話一話が短い
これはストーリーに直接関係のある話ではないのですが、 一話一話が比較的短いページ数で構成されています。
なので忙しい人にとっては読み進めるにあたって、キリのいいところまで読んだり、キリのいいところで止めやすいのが助かるところです。
ストーリーとしても急激に関係が変化したりすることがないので、こまめに栞を挟んだとしても特に困ることなく1冊を読み切ることができるので、読書初心者にも進めやすい作品です。
感想
現実ではありえないとわかっているのですが、隣人系ラブコメって本当に憧れますよね…
自分が部屋にいないときに代わりに荷物を受け取ってもらったり、遅くなりそうなときにお風呂のお湯だけ入れてくれたりする可愛くて愛想がいい隣人がいればいいのにと何度思ったことか…
え、結婚すればいいじゃないかって…?
それとこれとは話が違う。
隣人というのはあくまで自分のプライベート空間にいない相手なので、プライベートの空間まで侵されてしまう結構相手だと、気が休まらんじゃないか。
閑話休題。
この作品の良い所は、周と真昼のお互いの距離感が近すぎず遠すぎないところで成立しているところなわけで。
近すぎれば嫉妬に変わるし、遠すぎれば無関心になってしまうところを、日常のちょっとした出来事でうまく引き合わせるような描写が読者を幸せな気持ちにさせてくれる魅力がある作品だと思います。
短編集については以下の過去記事に詳しく書いていますので、よければご覧になってください。
以上、『お隣の天使様にいつの間にかダメ人間にされていた件』のおすすめ記事でした。